11/01/20

 『てっぱん』オープニングダンス 近藤良平マジックのこと

朝いちばんの『てっぱん』(BS-hi)を毎日録画して、昼飯(一食目)を食べるときに見ているのだが、オープニングのタイトルバックが気になってしょうがない。
特にこの商店街でいっぱい踊っているやつ↑ 毎回2回挿入されているのだが、最初は左端でひとり離れて踊っている青年に目がいっていた。やたら気合いを入れて踊っている。こんなに気合い入れて踊る気まんまんなのに、なぜかリュック背負ったまま……。

次に気になったのが、右端前のほうの真っ赤な服を着た派手目化粧のおばさん。
何をしている人なんだろうか? 横には派手な浴衣を着た首のないマネキンもあるし、左側にはなぜか自転車に乗ったままのじいさんもいるし……この一角、どことなく不条理な異次元空間だ。
で、ついに見つけてしまったのが右端前から6人目くらい、自動販売機の前にいる青いエプロンの女性。
これ、オアシズの大久保佳代子じゃないの?
首をかしげて、やる気なさそうに踊っている。仕草といい顔といい、大久保佳代子そっくりだが……。

なぜここに?

『てっぱん』は、『ちりとてちん』以来の良品だと思う。毎週泣かされる。歳取ると涙腺弱くてダメだわ。
まず、キャスティングが素晴らしい。真面目にオーディションをしたのだろう。日本のテレビ放送を代表するドラマなのだから、とことん真面目にオーディションして選ばなくちゃね。これからもずっとこうあってほしい。

脚本もよくできている。話がどんどん展開していき、飽きさせない。
そしていちばん感心するのが、これだけ明るく作っていながら鼻につかないこと。薄っぺらな演出で明るさを出すと鼻につくのだが、このドラマにはそういうところがない。
オープニングのダンスもそうで、振り付けをやったコンドルズの近藤良平氏は「本物」なのだろう。
ネットで検索していたら、こんなブログを見つけた。
あのオープニングのダンスを見ていると「自分が純粋だった頃を思い出す」のだという。
この人は特に、若い男女が手を組んで回っている1コマが好きらしい。
経営コンサルタントという、世の中の汚さ、ずるさ、理不尽さ、残酷さを目一杯見なければいけない仕事にありながら、あの男女のダンスを見ると心が熱くなるとブログで告白している人がいる。すごいなあ。
このブログの主が、踊っている若い男女ではなく、振り付けをした近藤良平氏を誉めているところに注目したい。
一般視聴者の応募ビデオではないのではないかと内心思いながらも、そんなことはどうでもいいと言っている。計算された演出だとして、その演出を通して自分を熱くさせてくれる近藤良平の振り付けは本物だと言いたいのだろう。まさにその通り!
エンターテインメントの仕事というのは、そういうことなのだ。とことん計算して作るけれど、根っこが本物じゃないと感動は生まれない。押しつけがましくなく、でも、なによりも自分自身が楽しめなくては本物にはならない。
……うんうん。こうありたいものだと、改めて自分に言いきかせるのであった。

不思議な存在感の人たちがいっぱい出てくるあのオープニングは、なんとも言えない魅力を持っている。
その不可思議ワールドを生み出した近藤良平の名前は、なぜかタイトルバックに出てこないが、その代わり本人がいつも出ている。花屋の前で「かつおぶし〜 かつおぶし〜 かつおぶし〜がワッサワッサ トントントン トントントン 陽気な陽気な私です」と踊っている人が近藤氏でありますね。

ハンターたちの姿が消えた「ふるさと林道」にて




一つ前の日記へ一つ前へ    abukuma.us HOME    takuki.com HOME      次の日記へ次の日記へ

たくき よしみつの本 出版リストと購入先へのリンク  デジカメと写真撮影術のことならここへ! ガバサク道場

  たくき よしみつの「本」 電子配信開始


『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社講談社現代新書)

『デジカメに1000万画素はいらない』

(08.10/講談社講談社現代新書、940円+税)……   デジカメ業界最大のタブーに切り込んだ問題の書。やさしく興味深く読み進め、読み終わったときには自然と写真がうまくなっているという二度おいしい本。サンプル写真はすべてカラーで収録。
立ち読み版へ!立ち読み版ページへ

アマゾンで注文!アマゾンコムで注文で注文


  タヌパックスタジオ本館   ギターデュオKAMUNA   あぶくま狛犬札所60番巡り   日本に巨大風車はいらない 風力発電事業という詐欺と暴力