10/09/13の3

 鮫川村の寅吉飛翔獅子(3)

見れば見るほど、手抜きがない。丹念な仕事だ。もし寅吉がメインで彫ったのなら、当然「布孝」銘を刻んでもよさそうなものだ。

いろいろな角度から堪能できる作品だ


周囲には、この神社の歴史を感じさせるものがいくつか存在している。例えばこの胴体だけになってしまった像は狛犬なのか狐なのか……。江戸期のものと思われるので、上半身が喪失しているのが実に残念だ。

この尻尾からすると、兎ではなかったのは確実だが……ああ、惜しい!


信州的場村から高遠石工がこの地まで来ていたことが分かる
この碑の年号は宝暦9年(1759)となっている。約250年前だ

熊野神社は、福島県では源頼義が「前九年の役」(1051年〜)の際、戦勝を祈願して会津の熊野堂村(現福島県会津若松市)に勧請したのが始まりとされているらしい。県内での熊野神社信仰者は多いのだろう。
目立たない場所にある神社だが、実に多くの人たちが長い歴史の中で支えてきたのだと分かる。
最後にもう何枚か写真を載せておこう。

吽像を斜め上から


吽像の尾を下から


吽像の背中(頭側)


阿像の裏から


吽像の顔


前脚の爪

名残惜しいが、日没も迫ってきたので神社を後にした。




たくき よしみつの「本」 電子配信開始
狛犬かがみ - A Complete Guide to Komainu

狛犬かがみ A Complete Guide to Komainu

(バナナブックス、1700円税込)……  オールカラー、日英両国語対応、画像収録400点以上という狛犬本の決定版。25年以上かけて撮影した狛犬たちを眺めるだけでも文句なく面白い。学術的にも、狛犬芸術を初めて体系的に解説した貴重な書。
アマゾンコムで注文で注文


HOMEへ 狛犬ネット入口目次へ



一つ前の日記へ一つ前へ    目次へ          次の日記へ次へ





その他、たくき よしみつの本の紹介はこちら

日本に巨大風車はいらない 風力発電事業という詐欺と暴力