10/06/26

しんちゃんと電子書籍

今、うちに来ている野良猫は、しんちゃん、Qちゃん、ウッシー、シロの4匹。サバオとデカサバは最近見ていない。サバオはすごく性格のいい猫だったが、死んでしまったのだろうか。
サバオに猫パンチしていたS性格のみーちゃんもいなくなった。

4匹の中では、しんちゃんがいちばん古顔。新人だからしんちゃんと名づけたのに、あっという間に古参になってしまった。野良猫たちの命は短い。
しんちゃんはいちばん小さい。多分メス。オオミズアオを食べるのが難点。
他の猫と違って、にゃあと鳴いて餌をねだる。
だいぶ近づけるようになったが、1m以内は無理。
だるまさんが転んだ状態で、少しずつにじり寄りながら撮ってみた。

ちょっと近づく。まだ大丈夫そう


もうちょっと近づく。この後、もうちょっと……のところで逃げた


今年もジョンの水飲みの中でカエルがいっぱい溺死?している。なぜなんだろう。登れなくなって体力が消耗するのだろうか。

夜、クワガタが飛んできた


ついでにこれも


オオミズアオ。しんちゃんが来ないといいのだが


今夜は訪問客が多い

ゴロの死後、失業状態をどうやって立て直すか、少しずつ考えているのだが、身体が動かない。
出版社が本当に元気がない。担当編集者からのメールも、どんどん短く、暗くなっている。
「今、出版社で危なくないところなんてないですよ」
なんて書いてある。
新しいこと、面白い本をやりたくても、できない。その苛立ちが、次第にため息に変わっていっているかのようだ。
iPaDの登場で、今度こそ本当に「紙の本」はとどめを刺されるかもしれない。
電子出版は簡単だが、問題はどうやって「ここにこんなものがありますよ」という情報を、多くの人たちに届けられるかだ。
文藝ネットを始めたのはいつのことだったか。かれこれ10年にはなると思う。
ベクターで「ソフトウェア」として小説を登録したのも、ずいぶん前のことだ。
しかし、ビジネスにはほど遠い。
レンタルサーバーやドメインの価格破壊を起こしたPaperBoyが、ブクログというWEB上に自分の本棚を作るイメージのサービスを始めていたが、そこから一歩踏み出し、Puboo(パブー)という、誰もが簡単に電子出版を行えるシステムを作った。
今月からスタートしたらしい。
ちょうど、iPaD向けの電子書籍をどうやったら作れるのか、勉強しようと思っていたところだったので、覗いてみる。
iPaDのiBOOKというソフトは、北米ではすでにデファクトスタンダードになったというepubというファイル形式を採用している。
epubは、xhtml(要するにWEBページ本体のファイル)と、それにリンクさせた画像などをZIPで一つにまとめて、拡張子を.epubに書き換えただけの形式だという。当然のことながらオープンソース。
これだけシンプルでありながら、まだ、作成ソフトなどがあまり出てきていない。これからあっという間に出てくるのだろうが……。

いくつかのフリーソフトやシェアウェア、Adobeのepubにも対応している電子書籍リーダーなど、いろいろチェックしてみたが、どれもしっくりこない。
最後は、パブーを試してみた。
一種のWEBアプリとして使う感覚。
パブーで電子書籍を作成・公開すると、自動的にepub形式のファイルを作成してくれて、それをダウンロードできる。
ダウンロードしたファイルをepubの編集ソフト(英語版)でちょこっと編集すれば、さらに読みやすい、あるいは個性的な電子書籍になる。
ああ、しばらくはこの方法でいいかもしれない。

2日かけて、短編集を3冊、パブーで作成・公開してみた。
URLは、http://p.booklog.jp/users/tanupack だ。

文藝ネットを始めたときは、縦書きにこだわったり、テキストファイルではコピーされるのが不安で、暗号化したり、いろいろ試みたものだが、結果、学習したことは、そういうことにこだわる前に、まずは共通フォーマットを作り、広く情報を行き渡らせることが大切だ、ということ。
小説は縦書きじゃなきゃ……という気持ちは薄れた。横書きは味気ないが、画像や音声をリンクさせたり、レイアウトで遊んだりする利点を楽しむメリットをとったほうがいいのではないか……。
電子出版というのは、そういうものだろうと思う。
そういえば、文藝ネットを訪れた盲目の読者のかたから、縦書きか横書きかなどということは、目が見えない人間には何の関係もない。ましてや暗号化されてしまったら1行も読めないではないか、という抗議を受けたことがある。
確かに……。

パブーが育っていくためには、いろいろ難しい課題を乗り越えなければならないだろう。
読者のひとりからは、さっそく、
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それはそうと、パブーで3冊とも買おうと思ったのですが、ちょっと面倒ですね。ブクログの会員になる必要があるようで、そこまでは頑張って登録したのですが、登録していざ買おうと思ったら、さらに おさいぽ というものも登録しないといけないということで、ちょっとめげてしまっています。
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というメールをいただいた。
なるほど、入り口ですでに躓いたか……。
おさいぽ は、クレジットカード情報を登録するだけなので、手続きは簡単なのだが、他に利用できるサービスがPaperBoy関連だけだし、抵抗があるのは当然だろう。
パブーのサイトには、今後、
……などに対応していくと発表されている。
Amazonとアップルを視野に入れているところがなかなか頼もしい。パブーだけでビジネス展開できるとは思っていないわけで、こういう姿勢を他の企業も見習わないと、これからのビジネス戦場を生き残るのは難しいだろう。
デジタル技術のおかげで、ソフトを作るのも発表するのも簡単になった。しかし、それをどうやって知らせるか、売るかという部分では、未だに「大量広告で露出した者が勝ち」という構図は変わっていない。

まあ、しばらくは金にはならないが、いろいろ勉強していくしかない。


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