10/06/02の2

平伏沼にまでこの光景が……

平伏沼の入り口から万太郎山の方向を振り向くと、こういう風景になっている。距離は約2km……のはずだが、2kmよりはずっと近く見える。
2kmあったとしても、ここはちょうど風下にあたるので、影響がどうなのか心配だ。
なぜか、ここから見える風車全機がこの日は羽をたたみ、ピタッと停止していた。


大滝根山に続く尾根づたいにも別の4機が見える


右に写っている丸いものは自衛隊のレーダーサイト。影響はないのか?


万太郎山側に見えている4機はかなり大きく見える



現在、先進国と呼ばれている国々では、地球温暖化詐欺に絡めた新しいビジネストレンドで、閉塞した経済状況をなんとか延命させようとしている。この潮流には日本のビジネス界も政府もどっぷりつかっている。
また、欧州を中心とした国々は、二酸化炭素排出権取引という「発明」で、実体のないビジネスを作りだし、他国の資産をうまく搾取しようとしている。日本はその最たるターゲットにされているが、民主党政権のトップたちは、あろうことか未だに馬鹿げた二酸化炭素削減策を国策として掲げ、自分の首を絞める勘違い政策を正義だと思いこんでいる。
政治家という人たちは、「政治」という狭い世界の暗闘に日々エネルギーを費やさざるをえない。世界の真実を見抜くための余裕や時間がないのだろう。勉強するといっても、移動中に古い本を読んだりする程度。あとは取り巻きの「ブレーン」(まともな「頭脳」になっていないことが多いようだが)が耳元で囁く言葉を鵜呑みにするだけ。一度間違った思いこみをすると、訂正するきっかけを掴めないまま歳を取っていく。人間、ただでさえ歳を取ると頑固になる傾向がある。(もっとも、若いときの思いこみのほうがタチが悪いとも言えるが)

風車病については、なによりも被害が出ているという現実に向き合い、そこから出発する姿勢が大切だ。
風力発電を推進したいから、そのためのネガティブな要素は排除していきたい……というのがマスメディアなどの報道姿勢だ。現在のマスメディアは必ず、「風力発電はクリーンなエネルギーで」とか「推進する必要がありますが」といった枕詞から報道を始める。
「推進に水を差さないためにも、早く健康被害問題が解決するといいですね」といった報道姿勢をとる。
その姿勢をまずはリセットしてください、と訴えたのが、風力発電問題を考える全国集会が採択した「東京宣言2010」だった。
現実に被害を受けている人たちがいるのだから、なによりも先にその救済をすることはあたりまえではないか、という主張は間違っているだろうか。

被害者を救う方法は2つしかない。風力発電装置を止めるか、その場所から引っ越すかのいずれかだ。
被害者が現実に選択できる方法は後者しかない。風力発電装置建設反対運動の最後は、被害者の引っ越し費用を誰が出すのかという駆け引きに収束していく。
その現場の話を、僕はすでにあちこちから聞いているし、実際の当事者にお会いしてもいる。
阿武隈のこの地でも、もうすぐそういう状況になっていくだろう。
滝根小白井の風車群が急に止まっているのはなぜなのか、気になる。試験運転の切り替えなのか、それとも何か問題が生じているのか。


ところで、風車病は「気の病」だと主張する人たちがいる。神経質な人が、必要以上にウィンドタービンの存在を気に病んで、自分の体調がおかしいのは風車のせいだと主張しているだけだ、というわけだ。
しかし、それは完全な間違いだ。

『Wind Turbine Syndrome』(風力発電症候群)という言葉をおそらく世界で初めて使い、大型風力発電装置が発生する超低周波が人間の健康を損なうという問題を提起したニーナ・ピアポント博士(PhD、MD)は、いくつかの重要な指摘をしている。

1)風車病は「思いこみ」や、精神性のものではなく、統計学的に十分に有意だと証明された病気(症候群)である。ブログなどで風車病被害者を誹謗するような行為をしている者たちは、医学の専門家でもないし、現場で実体験をした者たちでもない。私は実際に現場で被害者と接し、調査した医学の専門家としての立場で言うが、風車を理想の装置と信じたいファン心理からの無責任な発言は厳に慎むべきである。

2)風車病と精神疾患歴との相関関係はない。乗り物酔いに弱い傾向の人や高齢者が風車病にかかりやすいという傾向は読み取れる。

3)事業者や行政が行う「騒音」測定は、方法、あるいは発想が基本的に間違っている。「○Hzにおいて○○dBしか出ていないから人体に影響があるはずがない」とか「可聴域外の音が人間の健康に影響を及ぼすはずがない」という乱暴な結論が先に立つような「測定」は意味がない。実際に症状が出ているという現実を出発点にして、症状が出ているときと出ていないときの差を正しく計測し、原因となる周波数帯や音圧、影響を受けうる距離などの割り出しをすべきである。

4)巨大風車が発する超低周波が実際にどの程度の距離まで影響を及ぼすかは、地形や人家の構造などに関係するため、明確な数値を出すことは難しい。しかし、最低でも人家から2kmは離す必要があるということは言える。

風車病のメカニズムは、確かに解明されていない。ピアポント博士の説によれば、

5)風車病の基本原理は、風車が発する低周波振動が原因で人間の体内で起きるバランスコントロールの乱れである(内耳や横隔膜近辺の共振周波数との関係を指摘している)

ということらしい。
人間が固有に持っている共振周波数は、体内の部位によって異なるが、特に低周波の影響を受けやすい部位のひとつが腸と肺の間(横隔膜近辺)だという。
これが数Hzの超低周波と共振して、正常なバランスコントロールができなくなるのだろう、という。
風車病の基本メカニズムは「超低周波と生物体の共振」だと指摘する学者は彼女だけではない。共振の対象として、心拍数をあげる人もいる。
数Hzの振動というのは、生物の心拍数に近いというのだ。心拍数が60/分なら1Hzだし、120/分なら2Hzになる。




↑これは、ある被害者宅で計測したウィンドタービンからの低周波測定値の結果だが、可聴域である数十Hz以上よりも、人間の耳には聞こえない数ヘルツの超低周波に明らかなピーク(赤や白の部分)があることが一目瞭然で分かる。(左側にいくほど低い周波数。左端は1Hz。色は音圧の強さ。赤、えんじ、白は56〜62dB)
これだけはっきりした計測値が出ていても、事業者や行政は「規定値外です」「可聴範囲外の音は規制対象外です」などと言って相手にしない。

メカニズムの正確な解明はまだまだ時間がかかるだろう。研究を支援する国や企業はまずない。支援どころか、妨害や黙殺に熱心になる。解明が進むと困るから、彼らにとって不都合な研究だからだ。
メカニズムの解明は大切だが、それ以前に、健康被害が起きているという現実を直視するということが急務だ。
ピアポント博士も実際に被害を受けている人たちの聞き取り調査をしているが、その被害者たちの訴えや症状の内容は、日本(伊豆半島や渥美半島)で報告されている被害者たちの話、症状と驚くほど一致している。

風力発電が有効なエネルギー事業となりうるのかという問題を別としても、現在の形(タワーの上に巨大な3枚羽根をつけた風車型)の発電装置に将来性はないだろう。今後風力発電を研究するにしても、根本的に別の形を考えなければならないことははっきりしている。例えば、螺旋状の風車による発電システムの研究が一部で行われている。こうしたものを否定する気持ちはさらさらない。研究は大いにするべきだ。ちなみに、螺旋(スクリュー)状の装置は、小規模水力発電においても有効ではないかと考える人は少なくない。大いに研究するべきだ。
しかし、そうした研究努力を放棄して、単純に「風力発電はすばらしい」「風力発電はクリーンなエネルギー」というPRを垂れ流し、現システムの致命的な欠陥を覆い隠したまま「建て逃げ」することは間違いなく犯罪行為だ。



帰り道、DoCoMoの新しい送信アンテナができているのを見つけた↓
ちなみに、高圧送電線や電波送信所からの電磁波が人間の健康に与える影響については、ピアポント医師はどちらかというと否定的な立場をとっているようだ。よく言われている「電磁波健康被害」と風車病の「超低周波症候群」とはまったく別物だと言っている。
電磁波公害については、僕はまったく分からない。体感もしていない。だから発言はしない。
ただ、一利用者として感じているのは、しょーもない付加サービスにかまけて、「どこでもつながる」というケータイ本来の目的を忘れているかのようなauより、通話エリア拡大に力を入れるDoCoMoのほうがまともだろうということ。
「田舎や山間地で強いau」という定評は、今や完全に覆されてしまっている。ここに引っ越してきたときは、わが家ではDoCoMoは入らず、auだけが入った。だから、auに切り替えて長期契約もしている。
しかし、今は逆転した。村の中でDoCoMoが入らない場所はほとんどなくなったが、auが入らない場所は依然として残っている。もはやauを使っている意味がなくなってきた。今使っている端末が調子悪くなってきたら、次はDoCoMoに乗り換えようかと思っている。今年中には、ケータイ端末の識別ICカードを共通化して、どの端末でも使えるようになるという話だし。そのとき大負けするのはauだろう。

知らないうちに建っていたDoCoMoの送電アンテナ




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