今回の訪問で分かったこと、印象に残ったことをまとめておきます。
- 巨大風車にとって、1kmはごくごく近距離である。2kmは完全危険範囲。3kmも安全圏ではない
- 耳に聞こえる低周波騒音(ブ~ンといううなり音や、ジュワッジュワッという風切り音)もこたえるが、やはり耳に聞こえない超低周波(20Hz以下)のエネルギーが与える健康被害が深刻である
- 超低周波による健康被害は、単純に距離が近ければダメージが大きいというわけではなく、地形や位置関係が複雑に関係している。つまり、事前にシミュレーションすることはほとんど不可能である
- 工事が着工したらあっという間に取り返しがつかない風景となる。その前に止めないと、どうにもならない
南伊豆町の風車群は、まだ試験運転段階です。これが本格稼働したら、東伊豆町や田原市などの被害同様、あるいはそれ以上のひどい状況が出現することでしょう。
すでにこれだけ被害が出ている以上、住民の安全を守るには、住民を完全移転させるか風車を止めるしかないわけで、事業として成立しえないことも明白です。
事業者はお金を持っているでしょうから、ここがビジネスとして成立しなくても大丈夫なのかもしれませんが、町の行政は、とんでもない問題を今後ずっと抱えていくわけです。観光地としても致命的なダメージをすでに受けてしまいました。これから一体、どうするつもりなのでしょう。
同じ道を、阿武隈も歩むのだろうかと思うと、どっと疲れが襲ってきました。
田村市といわき市にまたがる滝根小白井ウィンドファームは、ほぼ完成に近づいています。
南伊豆町と同じ、2000kw風車ですが、基数はさらに多い23基です。
檜山高原も2000kwが14基。
これらはもう止められません。もうすぐ完成し、稼働します。
南伊豆町と同じ風景、同じ苦しみが、我が家の周りで始まるのです。
のどかな天候なのに、なんとも気分の重い伊豆紀行となりました。