09/10/11

 犠牲になるもの



数日ぶりで小野に向かった。風車はまた1基増えている。道から見えないところではもっと建っているのかもしれない。

この家は新築だが、これから毎日この風景を背負っていくことになる


あぶくま高原道路は、もうすぐ全線つながる。我が家から石川町や矢吹方面に抜けるときは便利になるが、その代わり自然破壊がすさまじい。
あぶくま高原道路に沿って走る県道は別にそれほど走りにくいわけではないし、交通量もわずか。滅多に車とすれ違うこともないような道。その隣の山を容赦なく削って、あぶくま高原道路の残り区間がもうすぐ開通する。
いいのか、これで……と思う。
道路は、風車のように誰の生活にも寄与しないものではない。どんな道路でも、どこかにつながれば利便性は上がり、恩恵を受ける人がいる。だから、この手の事業は、そのプラス面と、失うもの、犠牲になるものを天秤にかけることになる。
そのとき、野生生物の死滅や自然の循環能力喪失ということは軽視される。
例えば、あぶくま高原道路の脇に作られたこの人工水路はなんだろう↓

これだけコンクリートでしっかり固めてしまっては、水生生物は生きられないだろう


こののり面も、生物が自由に行き来できるようなものではない

やるにしても、工夫の余地がいくらでもあると思うのである。これはいくらなんでも乱暴ではないのか。センスやデリカシーのかけらも感じられない。
残念ながら、福島県というところは「自然の中になるべく融け込ませる」という工夫を感じさせる人工物が他府県より少ないのではないかと感じる。

便利になったねえ……という多くの声の陰で、この道路と隣り合わせに住まなければならなくなった人たちは大変なストレスを受け、中には長い間住んだこの土地を捨てることを決意する人もいる。
そして、野生生物は、声を上げることもできない。
なんでもかんでもやめろというのではない。失われるもの、切り捨てられるものたちのことを思い、できる限りの工夫をしたらどうかと、まずは言いたい。

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