09/09/13

滝根小白井風力発電の進捗状況


気になって、滝根小白井風力発電建設現場を見に行った。
今日は琵琶仙人が住んでいた家がある子安川林道から入ったのだが、いつのまにかぐるっと周回できるような道が完成していた。道路も全線舗装されていた。
琵琶仙人の家は取り壊されたのか、見あたらなかった。
↑こんな標識があって、少し戸惑う。知らない人はぐるぐる回ってしまいそう。最新版の地図にもまだこの道は出ていない。

平伏沼と滝根が同じ方向というのはどう考えても変


反対側からみた案内標識。こっちのほうがまだマシな案内といえる


牧草地。ここは風車の魔の手から逃れたが、山に囲まれた窪地だからだろう


少し進むと、さっきの牧草地を見下ろせるところに出る。ぐるっと迂回する感じ


精九朗壇の先、右手が高塚山、目の前に大滝根山の自衛隊レーダーサイトが臨める尾根筋に、延々と広い道路が造られて、それに沿ってベースが着々と建設されている。
この風車群に沿って東側は川内村。冬は西風が強い日が多いが、川内村は風下になる。

このむき出しになった土が、雨の日は泥水を川に流れ込ませる


尾根筋の先にはレーダーサイトがある。影響はないのだろうか?


泥水が流れた筋が何本も見えている


これだけ地形を変え、コンクリートを数十メートルぶち込む工事だから、
伏流水や地下水への影響などはもう出ているかもしれない


ここに百数十メートルの建造物が建つ


滝根の町の方向を臨む


はるか彼方までずっと巨大風車が尾根づたいに並ぶ


こんなもので大丈夫なのか……と思えるベース


現場を見ているだけで、今から頭が痛い。これから来年まで、日々、こんな近い場所に悪魔が一基、また一基と増えていくのを見守らなければならないのか……。
将来的には、八ツ場ダムと同じようなことになるだろう。使えないまま、山を壊すだけ壊し、気の遠くなるような金を注ぎ込んでゴミを置いていく。
ダム建設中止を早々と宣言した民主党を責めるような論調のメディアが多いが、57年間も現地の人たちの生活を狂わせ、自然を破壊してきた自民党政権下での国策を責めるのが先だ。何を言っているのかと思う。
巨大風車を受け入れようとしている自治体は、八ツ場ダムの悲劇から学んでほしい。
一旦受け入れたら終わりなのだ。
整備が必要な道路は、他にいくらでもある。小さな公共工事で必要なものもたくさんある。そうしたものは後回しにして、儲かりそうな、巨額の金が動く巨大工事、事業を優先的に、その必要性を無視して進めてきたために、それに群がる業者、おこぼれをあずかる地元民たちの心が荒廃してしまった。

昨日まで、森を守るのだと言っていた人が、風車計画が止まっているのはけしからん、あれが来れば下請けの仕事が入るのに、と、はずかしげもなく騒ぎ立てる。
こうした嫌な光景が、都会人の知らないところで延々と繰り返されてきたのだ。
今、その現場の中にいて、これまで国が重ねてきた罪の深さを改めて知る。

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日本に巨大風車はいらない 風力発電事業という詐欺と暴力 ギターデュオ KAMUNA