09/02/06

パナソニック DMC-LX3とニコンS600の比較テスト


さて、これはなんでしょう
本日はクイズから。↑さて、これはなんでしょう。

LX2は売れてしまったので、発送のために梱包してしまった。落札していただいたかたからは「多分、壊れるまで使わせていただくつもりです」とのコメントをいただいた。よいかたに渡って、カメラも幸運だった。
LX2は、いざとなると手放すのが惜しくなるようなカメラだった。LX3よりなんとなく手に馴染むのだ。
ほんの数十gの差がそう感じさせるのかもしれない。
LX2を梱包してしまったので、今日は、LX3と、今までお散歩カメラに使っていたニコンのS600を比較してみた。
S600は後継機のS610が出ているけれど、基本性能は今も同じ。使っているCCDは、他社のコンパクト機と同じ、1/2.33型 1000万画素というもの。明らかに画素数を欲張りすぎていて、自然な発色、余裕のあるコントラストが実現できていない。300万画素くらいに抑えて設計していれば、もっときれいに写るだろうに、残念なCCD。
LX3はそれよりはCCDが一回り大きい(同じ1000万画素で1/1.63型)し、レンズも明るいから、はっきりとした差が出ないと困るのだが、どういうことになるのか……。

S600:  F2.7 1/400秒 28mm相当 ISO 100 -1/3補正


LX3:  F3.2 1/500秒 24mm相当 ISO 80


いつもの光景。どちらもPモードで。S600は常時露出をマイナス1/3補正にして使っているのだが、それでも色が飛びぎみ。
色味が薄いので、カラーの設定もVividにしている。それでも、木々の緑はいつも薄くなる。
S600はオートブラケットができないのが最大の弱点。
LX3は、オートパワーオフ後、オートブラケットが解除されてしまうのが面倒くさい。僕はほぼ常時、オートブラケットで撮っているので、一旦設定したら、電源OFF後もキープしてほしい。
LX2は電源OFF後も、オートブラケット設定は生きていた。この点だけでも、LX2のほうがLX3より使いやすかった。

S600: 1/1250秒 F5.4 28mm相当 ISO 100 -1/3補正


LX3: 1/1000秒 F5.6 24mm相当 ISO 125

逆光の空に向けて。かなり難しい条件だが、これはLX3の圧勝。空の青もきれいに出たし、雲の白、唐松林の輪郭もくっきり。こういうダイナミックレンジの広い写真では、CCDの大きさの差が如実に出るという実証例。
S600は空の色がおかしいし、雲の白、唐松林の輪郭のくっきり感がガクンと落ちる。元データに無理があるので、映像エンジンでいくら頑張って絵作りしようとしても限界を超えているのだ。ケータイの内蔵カメラなんかは、こういう傾向(色が変、コントラストが甘い)がもっと顕著になる。
S600の映像エンジンはかなりよくできていると思うので、CCDの画素数を適正に落としておくだけで、ぐんときれいな写真になると思うのだが……残念。ニコンは自社でコンパクト機用のCCDは作っていないと思うので、結局、その時期、いちばん売れているCCDを黙って使うしかない。CCDの製造メーカーは、カメラメーカーの要請で画素数を無理に上げるから、適正な製品を開発できない。お互いに首を絞めているわけだ。
パナソニックの1/1.63型CCDはどこで作っているのか分からないが、これをせめて500万画素にまで落としていたら、もっとクリアな画像になるだろう。

LX2を宅急便で出すついでに、村唯一のカフェ ダノニーで昼食。
屋内での比較テスト。


S600: 1/50秒 F2.7 28mm相当 ISO 100 -1/3補正


LX3: 1/80秒 F2.0 24mm相当 ISO 80 -1/3補正



S600: 1/50秒 F2.7 28mm相当 ISO 100 -1/3補正


LX3: 1/60秒 F2.0 24mm相当 ISO 80

色味はどちらも、もう少し追い込めると思うが、サクッとPモードで撮るとこんな感じ。
解像感がかなり違う。
LX3は、屋内ではF2.0のレンズが威力を発揮する。ISOを低くしたままでも、十分にシャッター速度を確保できる。

LX3 1/125秒 F2.8 60mm相当 ISO 125


上の写真の一部を等倍で切り取り

LX3は望遠側(といっても、LX3はズーム比を抑えてレンズの明るさを優先させている設計なので、望遠端でも標準よりちょっと画角が狭い程度)でもF2.8の明るさなので、ブレもなく、細部までくっきり写る。
屋内の気軽な撮影では、相当力強い道具になる。

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