08/11/28

井戸掘り失敗


水が出ないまま、昨日は終了。今日は大雨なので確実に休みだと思っていたら、ボーリング屋さんたちははるばる宮城県・丸森からやってきた。
あまりに激しい雨に見かねて、倉庫からテントを持ち出して組み立てた。
ザーザー降る雨の中、作業を続行。寒いし、水は出てこないしで、みんなどんどん気が滅入っていく。

一見、水が勢いよく噴き出しているように見えるが、これは沢から注入している水がエアーに飛ばされて噴き出してきているだけ。

地下の花崗岩を砕いた砂が排出され、沢はこの通り。


祈りながら雨の中を見守るが……
午後3時過ぎ、ついに断念の決断。
63mまで掘ったが、地層がいっこうに変化しない。固い岩盤にぶち当たりそうなのが、いつまで経っても柔らかい花崗岩層を抜けないという。柔らかいので、掘った穴が崩れてきて、このまま無理に突き進めば、ロッドが抜けなくなる恐れがある。そうなるとロッドごと捨てなければならなくなり、数百万円からの損害を出してしまう。先端のビットだけでも百万円は軽く超えるのだから、そうなる前に「引き際が肝心」と社長が決断。
63mも掘っておいて水が出ないで終わるという最悪の結末になってしまった。

そもそも、下見に来た業者は複数いたが、みんな「ここは出るでしょ」「まあ、出ないということはないでしょ」と楽観していた。
今回の業者さんにしても「双葉郡で出なかったのは初めて」と言う。その稀なる最初のケースが、よりによってうちになるとは……。
全員憂鬱なまま引き上げ。
設置した装置はそのまま。うんざり。
翌、29日、事情をよく聞いていない元請けの社長がやってきた。下請けの社長とはまだ話し合っていないという。
これからどうするかを相談。

1)すべて諦めて、現時点でかかった費用を精算する
2)今掘れた井戸をさらに掘り進んでみる
3)今掘れた状況で、しょぼしょぼした水をなんとか吸い上げて使う
4)場所を変えて掘り直す

の4つの選択肢がありえるのだが、すぐに、2)と3)はないという結論に。
2)は危険すぎること。3)は金をかける意味がないこと。しょぼしょぼしみ出した水を無理矢理吸い上げても、ポンプが壊れるなどのトラブルが絶えないだろうし、水もよくないだろうということで。
となると、1)か4)。
ほんの数メートル掘る場所を変えただけでも、水脈にあたる可能性はないとは言えないが、一度失敗しているわけだから、相当な博打になる。当初、楽観視して掘り始めたときとは緊張度も博打度もまるで違ってくる。
それでやっぱり出ませんでしたとなれば、「被害額」はますます膨らむばかり。
いずれのケースにしても、事前にきちんと金額を出してから考えるということで別れた。
まったく憂鬱だ。
こんな気分のまま年の瀬を迎えるとは、今年はつくづくついてない。

08/12/02

鐸木三郎兵衛の肖像画 本日、業者さんと話し合い。
結局、やはり今回掘った井戸はスッパリと諦めて埋め戻し、来春、場所を変えて仕切り直しをするということになった。今度出ないと、ほんとに悲惨なことになる。
掘削機や大型のエアマンなど、機材は数日中に撤収。とりあえずは今回のことは忘れて年を越そう。
何か気持ちを切り替える手だてが必要だなあ。
悪夢を忘れるために、出版が決まらないまま、原稿をいくつか書いているのだけれど。

話変わって、昨夜寝る前、何の気なしに曾爺さんの名前「鐸木三郎兵衛」をググッたところ、福島市の広報紙がヒットした。
そこに、小さいながら、曾爺さんの肖像画なるものが載っていた。曾爺さんの顔は知らなかったので、へええ、こんな人だったのかと興味深く見た。
三郎兵衛については過去にもAICなどで何度か書いたことがある。
県庁所在地を郡山市に移転するという話を阻止したという「功績」で、福島市にとっては大切な人物らしいが、郡山市にしてみれば敵なのかもしれない。
僕としては県庁所在地が福島でも郡山でもいわきでもあんまり関係ない。今は偶然福島県内に住んでいるが、郡山市のほうが近いから、郡山が県庁所在地だったほうがよかったかもしれない。
でもやっぱり、福島市は生まれた場所だから、多少の愛着はある。
三郎兵衛は、男の子がいなくなった鐸木家に、宮城県から養子として迎え入れられた。
あんまり関係ないけど、今回、井戸を掘っている業者さんも、宮城県からはるばる来ている。

09/07/24 追記
母の納骨の日、三郎兵衛が晩年過ごした家を訪ねたところ、この肖像画は町長だった第十代三郎兵衛ではなく、その先代の九代三郎兵衛のものであることが分かった。
十代三郎兵衛の肖像は↓これ
十代鐸木三郎兵衛の正しい肖像画

この事実が判明したいきさつは⇒こちら




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